●PPMとは
その事業にお金を掛ける価値があるかを判断するために使われる経営手法。
市場成長率と市場占有率の高さによって4つに分類される。
・金のなる木
市場成長率は低く、市場占有率は高い。放っておいても儲かる事業。
・花形
市場成長率は高く、市場占有率も高い。投資を続けたい事業。
・問題児
市場成長率は高く、市場占有率は低い。投資をすれば儲かるかもしれない事業。
・負け犬
市場成長率は低く、市場占有率も低い。撤退した方が良い事業。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度春期/令和3年度春期/令和元年度秋期/平成30年度春期
PPMの説明
PPMとは、製品や事業の市場の成長率と占有率を分析し、それらの製品や事業にお金を掛ける価値があるかどうかを見極める経営手法です。PPMはプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略で、直訳すると製品ポートフォリオ管理となります。
市場成長率が高いということは、今後も投資を続けていけば利益を拡大出来るということになります。ただし、市場成長率が高いということはその分、競合も多くなります。
市場占有率が高いということは、
市場成長率と市場占有率から製品や事業の状態を下の図のように分類することが出来ます。
・問題児
市場成長率は高いのに、市場占有率が低いのが問題児です。
市場成長率が高いということは、今後投資を頑張ればその分利益を出せる可能性があり、市場占有率を拡大していけば「花形」に分類される事業にすることも出来ます。
・花形
市場成長率も市場占有率も高いのが花形です。
市場成長率も市場占有率も高いので投資を続ければその分利益を生み出すことが出来ます。しかし、市場成長率が高いということは他企業からの参入も多くなるということなので、競争は激しくなりがちです。油断していると「問題児」になってしまう可能性があります。
・負け犬
市場成長率も市場占有率も低いのが負け犬です。
既に市場として安定しているし、シェアも低い、すぐに撤退した方が良い事業になります。今更、鉄道会社を東京で始めても利益を出すのは難しそうですよね。
・金のなる木
市場成長率は低いが市場占有率は高いのが金のなる木です。
市場成長率は低いので、競合の参入は少なく落ち着いていますが、市場占有率は高いので、これ以上投資を続けなくても安定して利益を出すことが出来ます。最高の状態ですね。金のなる木で生み出した利益で他の事業に投資することが出来ます。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和4年度春期問67、平成30年度春期問67
PPMにおいて、投資用の資金源と位置付けられる事業はどれか。
ア 市場成長率が高く、相対的市場占有率が高い事業
イ 市場成長率が高く、相対的市場占有率が低い事業
ウ 市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業
エ 市場成長率が低く、相対的市場占有率が低い事業
正解は”ウ”
投資用の資金源となり得るのは市場成長率が低く、市場占有率が高い金のなる木に分類される事業です。
応用情報技術者 午前試験
令和3年度春期問67
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)マトリックスのa、bに入れる語句の適切な組合せはどれか。
正解は”ウ”
応用情報技術者 午前試験
令和元年度秋期問67
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)における”花形”を説明したものはどれか。
ア 市場成長率、市場占有率ともに高い製品である。成長に伴う投資も必要とするので、資金創出効果は大きいとは限らない。
イ 市場成長率、市場占有率ともに低い製品である。資金創出効果は小さく、資金流出量も少ない。
ウ 市場成長率は高いが、市場占有率が低い製品である。長期的な将来性を見込むことはできるが、資金創出効果の大きさは分からない。
エ 市場成長率は低いが、市場占有率は高い製品である。資金創出効果が大きく、企業の支柱となる資金源である。
正解は”ア”
市場成長率も市場占有率も高いのが「花形」になります。市場成長率が高いので、投資を続ける必要があり、大きい利益が得られるとは限りません。
ちなみに、
イ:負け犬
ウ:問題児
エ:金のなる木